2015.11.17カテゴリー : アゴ
アゴ プロテーゼ が「上下、左右にずれない」ためのひと工夫
アゴ プロテーゼ は、アゴのラインがシャープに、そしてフェイスラインがきれいに見えるようするために行います。
他院でされた手術も含めたくさんの患者さんを診ていると、アゴのプロテーゼが上や左右にずれて入っているのをたまに見かけます。
これは、手術時のプロテーゼを入れる位置が不適切だったのではなく、大半はプロテーゼを入れた後、位置が固定されるまでの間に徐々にずれていったのだと思います。
術後、しゃべったり、物を食べたりアゴを動かす動作によりプロテーゼに圧がかかり徐々に位置がずれていきます。
アゴ プロテーゼ はずれても、鼻ほどずれていることがわかりにくく、見た目上、問題にならないことが多く、中には手術を受けた本人も気付いていないこともあります。
しかし、 アゴ プロテーゼ がずれないにこしたことはありません。
そこで、私が行っているずれないための工夫を二つ紹介します。
一つは、 アゴ プロテーゼ を入れる骨面をなだらかにする事です。
プロテーゼをアゴの骨の真上に入れるわけですが、アゴの先端中央は少しだけ骨が凸になっています。
この部分をそのままにしておくと アゴ プロテーゼ が右か左にずれやすくなってしまいます。
そこで、 アゴ プロテーゼ の安定がよく、フィットするように、この部分を少しだけ削ってなだらかにしています。
もう一つは、 アゴ プロテーゼ の位置が固定されるまでの間、 アゴ プロテーゼ を外から糸で固定をしています。
手術をした直後から固定もなくアゴを動かせばプロテーゼは頭側(上方)にずれ上がってきます。位置がある程度固定されるまでの間(7-10日間)、アゴを動かさないようにすればプロテーゼはずれませんが、現実問題として飲まず食わず、しゃべらず7-10日間を過ごすことは不可能です。
そこで一般的には、 アゴ プロテーゼ のずれを予防するためにテープ固定を行います。
しかしテープ固定だけでは固定力が弱く上方へずれ上がり、もともとのアゴの下端とプロテーゼの下端が二つに分かれて触れていることをたまにみかけます。
そこでよりずれ上がりを防止するために写真のように アゴ プロテーゼ を皮膚側から糸で1週間固定をしています。
これが、 アゴ プロテーゼ が上下左右にずれないようにしている当院でのひと工夫です。