2015.09.07カテゴリー : 二重
二重 小切開法 はキズが短く取れない万能手術か?
二重 小切開法 は、キズが短くてすむ上に切開するのだから取れないんだろうと言うことで 二重 小切開法 を希望される方がたまにおられます。
二重の切開法には、部分切開法(小切開法、中切開法)と全切開法の二つがあります。
部分切開法(小切開法、中切開法)は二重のライン全体の1/3もしくは2/3位を部分的に切開する方法です。
それに対して全切開は名前の通り二重のラインを全体的に切開して二重を作成します。
二重 切開法 の基本的な考え方として、 二重 小切開法 , 中切開法 , 全切開法 いずれの場合も二重のラインを切開し一種の傷跡として二重を癖付けするというものなので、取れない二重をつくることが目的になってきます。
例えば、包丁で手を切って縫ったとしましょう。
その傷跡が1年後にパックリ開くことがないように、二重も切開すると消えることのない一生ものの二重を作ることができます。
ここまで読むと、少しだけ切ってとれない二重ができるなら、 二重 小切開法 がいいのではと思う方が多いのではないでしょうか。
確かに 二重 小切開法 は短い切開の傷跡でしっかりしたラインを入れることができるのでよい方法と言えばよい方法なのですが、「二重が自然に見えるように」と言うとまた話は別になってきます。
二重 小切開法 は、瞼がすっきりしていて奥二重を作成する場合にはよいのですが、瞼が腫れぼったい方や幅の広い二重を希望する場合にはあまり向いていません。
そういう場合に 二重 小切開法 で二重を作成すると、まばたきをする時や伏し目がちの時に切開した部分だけが食い込み、瞼の一部が凹んだように見えます。
ラインのでき方もまぶたを開け出すと小切開した部分だけがまず二重として入り込みだしワンテンポ遅れて全体のラインが入ってきます。手術を受けられたら本人はまぶたを開ける瞬間をあまりみる機会がないので、気にならない?気付かない?場合が多いのですが。。。
そして目をつむった状態では、 二重 小切開法 を受けられた方に、睫毛と二重の間の組織がそぎ取られたように凹の状態になっている事をよく見かけます。
さらに、切開という名前が付いていますが 小切開法 の場合は、二重のラインに余りにも負担が大きいと二重がはずれて消えてしまうことがあります。
なので、 二重 小切開法 は症例を選んでする場合には良い方法と思いますが、全てのまぶたに対して、少ないキズ跡で取れない二重ができるというわけではありません。
では、二重が一番ナチュラルに見えるのはどの方法でしょうか?
意外にも全切開法です。あくまでも自分の手術成績の評価ですが。。。
(全切開法の手術自体の自然に見えるための工夫は以前のコラム(2015.7.2)に書きましたのでそちらをご参考にしてください)
二重 小切開法 , 中切開法 , 全切開法の中でどれが一番自然に見えやすいかという比較をした場合、全切開法では、二重の癖を一部だけ付けるのではなく、二重のラインを全体に固定し癖付けするので、構造が元々の生まれつきの二重の構造に一番近くなります。
構造が一番近いと言うことは、つまり、目を開けたり閉じたりする動作の中で一番自然に見えやすいと言えます。
そのような理由で、当院では 二重 切開法 の中では全切開をしている数が圧倒的に多い現状です。
しかし、奥二重の時に小切開法、普通の幅の二重の時に中切開法を選択することももちろんあります。
要は、キズが短いとか腫れが少ないとか聞こえがよい事だけに左右されるのではなく、手術の特徴と自分の目的が合っているものを選ぶことが大切と考えます。